本のご紹介 :『新しい旧石器研究の出発点 野川遺跡』

画像小田静夫著 『新しい旧石器研究の出発点 野川遺跡』 (シリーズ「遺跡を学ぶ」064) 新泉社 2009年12月 定価:1500円+税

野川遺跡は、国際基督教大学(ICU)構内にある旧石器・縄文時代の遺跡です。東京の西、武蔵野台地に位置する広大なキャンパスには、旧石器・縄文の遺跡が点在しており、50年代後半、ICUに縄文土器を専門にされていた考古学者・キダー先生が赴任されたこともあって、考古学実習の発掘や構内整備にともなう緊急発掘などによる調査が、現在にいたるまで継続しておこなわれているそうです。

この遺跡が発掘されたのは、1967、69、70年。本文中になんと「小山修三」が5ヶ所(「小山」を含むと8ヶ所)も出てくる!ことからわかるように、カンチョーがICUの助手時代に発掘した記念すべき遺跡。しかし、大事なのはそれだけではないのです。石器時代の二つの文化層が、それまで想定されていた順序とは逆転して出てきて、編年が書き換えられることになったという意味でも、旧石器研究の出発点となった記念すべき遺跡だったのです。

旧石器でははじめて大規模に発掘され、1つの遺跡で10枚の旧石器文化層がきちんと確認されたことのほかにも、大量の遺物にもかかわらずそれを全点ドット化して記録したこと、考古学にはじめてコンピュータをつかったこと、自然科学分野の研究者が多く分析に加わったことなど、研究に新しい試みがどんどん取り入れられたのだそうです。カンチョーが、カリフォルニア大学デイビス校に留学して、コンピュータで縄文の人口を算出して学位を取ったのは、この発掘後のこと。カンチョー自身の学者としての仕事の原点でもあるのですね。

ぱらぱらとめくっていると、こ~んな写真が・・・
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今は昔、約40年前の写真です。これを見てカンチョーは、「もてたはずだよね~」と感慨深げにのたまっていました。(あ~あ)

(こぼら)

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