わたしと万博(34)…SF作家放談「1970年を語る」を読む

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万博が開催された1970年を調べていたら、思わぬところに面白すぎる対談を発見、 私のブログに紹介したところ、「全文を読みたい」「コピーして送って」というお問い合わせをいただきました。カンチョーのお勧めもあって、こちらにも一部開陳します。
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出所は、当時若者に人気のあった「平凡パンチ」の小型版「PocketパンチOh!」
発行は万国博開催前年の1969年2月、今から38年前。
私は中途半端な広告屋、石津謙介にあおられ、VANなどを着用して銀座を闊歩し、いっぱしに気取っていた時代です。ひそかに開いた「平凡パンチ」が40年近い年月を経て登場するとは夢にも思いませんでした。
因みに70年の万博は2泊3日の出張、VANを着ての見物でした。
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さて「安保の年のハプニング診断」と題するこの座談会には、時の(いや今でも通じる)SF作家が登場しています。小松左京、星新一、筒井康隆、大伴昌司の4名です。
この4人が、1970年の世界情勢・東大問題・安保改訂・万国博・庶民生活はこう展開する・・・と、思いつくまましゃべりまくっているのです。

中見出しは
「東大のSF的改革論」
「大学輸入自由化案」
「革命やるなら真面目にやれ!」
「安保くの一あらわる」
「SF的日本中立論」
「タチの悪い外交史を学ぼう」
「70年レジャー予想図」
となっていて、全20ページにわたる勝手気ままの言いたい放題。
抜群のおもしろさ。しかし振り返ってみると予想が当たっている発言も随所にあり、また「今」に通じる考え方が示されていて、「さすが希代のSF作家」とうならせてくれます。
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大伴 ポンコツ宇宙船なんかも流行になるね
小松 宇宙空間じゃ抵抗がないから、宇宙服さえしっかり着ていれば、あとは何だって宇宙船の代わりになるんだ。丸太にまたがってポンと背中を突いてもらうだけでも、時速100キロぐらいはでる(笑)。
筒井 そのかわり、どこへ飛んでっちゃうかわからないな。太陽がどんどん近づいてくる。あわてるな(笑)
大伴 堀江青年も太平洋渡ったヨットを宇宙に浮かべてー火星・金星横断ひとりぼっちーという映画を作ってまたもうける
小松 横を見るとフラバァのフォード車が飛んでいるし、あちらにはチキチキバンバンで使ったおんぼろ車(笑)
地上で使い古したポンコツ車を、宇宙で使うべしというおふれを出す。モノを大切にすることはイイことですよ(笑)
小松 大昔は国家におめでたいことがあると年号を変えたものだが、新宮殿の落成を祝って年号を新しくしてみるのは?“平凡”なんて年号あってもいいぞ(笑)
ころは平凡15年なんていいな。まぁ、戦争は起こらないね(笑)
筒井 それで100年経つと、平凡100年というお祭りがあって、あのころはよかったな、平凡御前試合なんてものがあってねぇ(笑)
小松 平凡三馬術とか・・・
大伴 年号に慶応と明治があって早稲田がないのは不公平だね
筒井 法政5年とか、立教70年とか
小松 東大ゼロ年(笑)
筒井 明治があるんだから、森永があってもいいな。森永30年、ロッテ5年(笑)
 シスコおばQガム20年、怪物くんチョコ元年(笑)。コカコーラ40年なんてのはどうかね(笑)
小松 売国奴になるな(笑)
大伴 やはり昭和がいちばんいいですね。おめでたい結論が出たところで・・・

といった感じで言いたい放題。

当時の一大関心事だった「安保改訂」論議に多くの時間を割いています。
しかし学生運動のうねりや反戦フォークのエネルギーをまともにとらえ、1970年とその先に垣間見える世界を、笑い飛ばしながら語り合っているサマは、おもしろさを通り越し、時代に生きる知的生産者たちの迫力を感じさせてくれます。
本棚の奥から出てきた一冊の娯楽誌「平凡パンチ」。
「平凡なパンチ」ではありませんでした。

(あかちゃん)

この記事へのコメント

きょうちゃん
2009年04月26日 21:41
卑猥な表現をお許しください。
「平凡パンチ」を「平凡パンツ」を貸してといって、読みあったなあ~。